※総務省「国勢調査」（年齢不詳人口を除く）

 

本日は福岡県の人口減少対策を見て行きます。

　福岡県の人口は、1970年の国勢調査以来増加傾向にありますが、その伸びは鈍化しています。

近年、死亡数が出生数を上回る自然減（住居の移動による人口の増減を除いた人口の減少のこと。）を転入者が転出者を上回る社会像（移動による人口の増加のこと。）でカバーしている状態です。人口の高齢化により自然減は年々拡大しており、県の人口は減少傾向に転化していく見込みです。

　少子高齢化や人口減少が進展すると、経済活動はもとより持続的な社会保障制度や地域コミュニティの維持などに大きな影響を与えます。そのため、人口減少に歯止めをかけ、それぞれの地域を元気にするための地方創生が重要な課題になっています。

　このようなことから、福岡県では、2015年12月に県内人口の将来展望を踏まえ、地方創生を実現するための施策をまとめた

「福岡県人口ビジョン・地方創生総合戦略」を策定しています。

 

具体的に4つの目標を掲げています。

１「魅力ある雇用の場」をつくる

【中小企業】
○ 県、市町村、中小企業者、金融機関、支援団体等が相互に連携・協力して、創業、経営基盤の強化、新たな事業展開など中小企業の成長段階に合わせて、きめ細かに支援する。
○ 地域の雇用を支える医療、福祉、健康づくり、家事支援サービスなど生活に密着したサービス産業を育成する。

【先端成長産業】
○ 県経済をけん引する自動車産業をはじめ、将来の成長と大きな雇用が見込まれるバイオ・食品・医療福祉機器関連産業等の振興に加え、水素、航空機などの次世代産業を育成する。
【観光】
○ 地域の魅力ある観光資源を磨き、つなぎ、売ることで、国内はもとより、アジアを中心とした海外からの誘客を促進し、域内消費の拡大を図る。

【企業誘致等】
○ アジアを向いた大都市圏としての更なる発展を目指し、首都圏等から国や企業本社の機能を誘致するとともに、国内外からの投資を促進する。

【農林水産業】
○ 農林水産業の担い手の育成・確保、ブランド化や６次産業化などにより、収益力を高め、輸出拡大に取り組む。オール九州でも６次産業化の取組みや輸出体制づくりを進める。
　
【就職支援】
○ 求職者一人ひとりの状況に応じたきめ細かな就職支援を進める。

 

２、若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる

【安定雇用】
○ 希望する方の正規雇用への転換促進、非正規雇用の処遇改善を進めるなど若者の雇用と生活の安定を図る
。
【結婚応援】
○ 市町村、企業等と連携し、意識啓発や出会いの場の提供など若者の結婚を応援する。

【子どもと母性の健康】
○ 妊娠、出産、育児に関する医療提供体制、保健対策の充実及び経済的負担の軽減を図る。

【子育て】
○ 幼児教育・保育の施設や放課後児童クラブなど、子ども・子育て支援について、量の拡大、質の向上を図る。

○ 男女共に仕事と子育てが両立できる職場環境づくりを推進する。特に、男性の家事・育児参加が可能となる働き方の改革を進める。

 

３、地方創生を担う人材の育成・定着と首都圏等からの人材還流を進める

【人材育成】
○ 国際的な視野を持ち、地域で活躍する人材を育成する。
○ 高校、大学と産業界が連携した人材育成のためのシステムを構築する。
○ 県内外から、農林水産業への意欲ある就業希望者を確保し、定着する取組みを行う。

【進学・就職】
○ 大学間連携等による県内大学の魅力向上に加え、高校と大学との連携強化により地元進学を促進する取組みを行う。
○ 県内大学と連携し、入学後、早い時期から、地元就職を促進する取組みを行う。
○ 留学生の誘致を促進するとともに、優秀な留学生の県内への定着を促進する。

【Ｕターン】
○ 首都圏など県外進学者とその保護者に対する地元企業情報の提供によるＵターン就職促進など、新規学卒者の県内就職を拡大する。
○ 地元愛着率全国一のポテンシャルを活かし、県外就職者のＵターン促進のための取組みを強化する。

 

４、誰もが住み慣れた地域で暮らして行ける安全・安心で活力ある地域をつくる

【地域振興】
○ 広域地域振興圏における地域資源を活用した地域
振興施策の充実を図る。
○ 単独市町村では充足が困難な住民サービスを市町
村相互が補完し合う取組みを進める。　
○ 住民に必要な生活・福祉サービスを一定のエリア
内に集める「小さな拠点」づくりを市町村と連携し
て進める。
○ 居住機能や福祉、医療、商業等の都市機能の誘導に
より、集約型の都市づくりを推進する。
○ 農林漁業に対する県民の理解と関心を深め、地域
の資源や特徴を活用した農山漁村の活性化を図る。
○ スポーツ振興・文化振興による地域活性化を図る。
○ 新たなエネルギー関連産業の育成・集積による地
域振興を図る。

【多様な主体の活躍】
○ 女性や高齢者の活躍、障害者の社会参加を応援する。

【共助社会】
○ ＮＰＯ・ボランティア、企業、行政の協働を促進する。
○ 安全・安心な地域をつくる。

【生活環境】
○ 医療、介護、予防、住まい、生活支援などに関する
サービスを一体的に切れ目なく提供する。
○ 一人暮らしの高齢者や認知症の方々を地域社会全
体で支援する取組みを拡充する。　　　
○ 住民生活と地域発展の基盤となる公共交通機関の
維持・充実を図る。

【循環型社会】
○ 廃棄物の適正処理の推進、リサイクル製品の普及
促進や３Ｒをはじめとする循環型社会システムの
構築に取り組む。

【社会資本】
○ 地域を支える社会資本の有効活用・充実を図る。

以上です。

　私たちが住んでいる福岡県には豊かな自然、食、歴史、文化、産業などさまざまな魅力がありますよね。私たちが住むこの県を、よりよい県にしていきたいですね。

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